5月27日(日)に、窓山デザインコンテストの授賞式が窓山の地でありました。けど、関係者は前日の26日(土)から秋田入り。2日間もかけて、いったい何をしていたのか? その模様を写真をふんだんに使ってレポートします!
2007年5月29日 (火)
窓山デザインコンテスト授賞式1日目
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参加者は、5月26日(土)の朝9時に秋田県能代市二ツ井駅前にあるきみまち塾塾舎に集合です。どんなことが待っているか詳細は知らされないままに、集合時刻に間に合うよう、各自、寝台特急や飛行機で駆けつけました。イベントの内容は内緒にしていたのではなく、単に決まっていなかったのだそうです。
まずは世界遺産の白神山地の見学です。世界遺産の中心地域には特別な許可無しに足を踏み入れることができないので、その周辺の緩衝地域に指定されている岳岱(だけだい)に行きました。
これが白神山地のブナ林です。ブナは一年間に1haあたり10トンもの葉を落とし、それが腐葉土となって豊かな森をつくります。それゆえ、ヨーロッパではブナ林を「森の母」と呼んでいるそうです。
木道が整備されているのは、単に歩きやすさのためだけでなく、環境保護のためでもあります。およそ20名が、一列になって歩きました。
この日のガイド役は、以前、営林署に勤めていた工藤さん。現役の頃はこの地の森林整備をしたこともあったそうで、行き慣れた場所なのでした。
樹齢400年のブナの前で記念写真。何年か前に、大きくなりすぎた木の一部が割れて倒れ、それまで生い茂る葉の影になって暗かった地面に光が差し込むようになりました。そのおかげで幼いブナの生育が盛んになり、世代交代が進みつつあります。ちょっと意味深な一枚です。
岳岱を後にし、近くの学習林に行きました。森林整備の体験です。木々が健全に生育し、材としての価値をあげるために枝打ちと下草刈りを行います。全員で作業をすると学習林はあっという間に、光が入る明るい林となりました。
温泉で作業の汗を流した後、きみまち塾で懇親会です。この美しい木の看板の作者が、コンテストの受賞者に明日手渡される表彰状をつくってくれてます。
まずはこのコンテストの主催者の一人であり、きみまち塾を主催する加藤長光さんから挨拶がありました。加藤さんは、全国に名だたる林産地であるこの地域を、杉の産直システムを軸にして活性化できないかと、長年努力し続けている人です。
次に、今回の窓山デザインコンテストの実行委員長であるナグモデザイン事務所 代表の南雲勝志さんの挨拶がありました。南雲さんは「日本全国スギダラケ倶楽部(略称スギダラ)」の代表もつとめておられ、このコンテストもスギダラの全面的なバックアップをいただいてます。
南雲さんの音頭で乾杯! 懇親会には受賞者だけでなく、地元の人たちも大勢集まりました。
宴の最中に、受賞者本人による簡単なプレゼンが行われました。最初は木材活用部門賞を受賞した栃木県の杉浦哲馬さんによる「薪のハコ」です。秋までにより実用性を高めて、再提案をしてくれるそうです。
次はランドスケープ部門賞を受賞した「madoyama いえ net」。提案してくれたのは東京に住む浅野里紗さん、山口かすみさん、上見浩基さんの3人(左から)です。武蔵野美術大学建築デザインの学生さんで、寝台特急で来てくれました。
特別賞(内田洋行賞)を受賞した「おこぜまつり」を提案してくれた、東京の平井充さん(中央)、山口紗由さん(右)、猪野俊幸さん(左)です。女である山の神様が嫉妬しないように、醜いオコゼをマタギがお供えしていたという故事にちなみ、オコゼの形に組んだ木を燃やすというお祭りを考えたのだそうです。このお祭りは、(提案どおりの形ではないかもしれませんが)秋に窓山で開催できるように、現在調整中です。
今回の授賞式のことを知って、取材を申し込まれたNHK秋田支局の冨田百合子さん。追いかけているテーマの一つに限界集落(人口の50%が65歳以上の高齢者になり、冠婚葬祭など社会的共同生活の維持が困難になった集落)があり、地域活性化の手法として、デザインコンテストを取り入れた今回の取り組みに注目しているとのことでした。
スギダラ北部九州(略称「杉九」)のメンバーの佐藤薫さん。このためにわざわざ福岡から駆けつけてくれました。表の顔は服飾メーカーのOLさんですが、ウラでは杉九の広報担当だそうで、杉九のマスコットキャラクターが描かれたエコバックを持参してました。
遅れて到着したのは、最優秀賞を受賞した田村裕希さん。1歳の誕生日を目前に控えたお子さんと一緒に、ご家族で参加です。まずは乾杯。
普段から田村環境計画として、公園、ランドスケープなどの設計に携わっている田村さんの提案は、窓山地区の総合的な再生を考えた、素晴らしいものでした。これまでにも恩賜上野動物園広告施設の設計などをされてきたそうです。
窓山の土地を所有し、農業を続けている畠山さん。受賞者の提案を聞いて、感慨無量のようです。
地元の若い大工さんたち。このきみまち塾の建設にも一肌脱いでくれました。こんな地元の若い世代が参加してくれているのがうれしいですね。
続けて地元の造園屋さんたち。社長が若手を紹介しています。きみまち塾の前の美しい庭は、彼らの手によるものです。
地元のスポーツ店店主で、現在は能代市市会議員も勤める菅原さん。郷土愛にあふれた気さくな人です。
地元のクリーニング店「シーガルジャパン」の社長、高橋さん。二ツ井町を本店に、今では秋田県内に9店を展開するまでになった、地元が誇る優良企業の一つ。「ジャパン」の名のとおり、全国進出の日も近い?
右側が着物のクリーニング店経営の菅原さん、左が東北ゼオライト工業株式会社 取締役の鈴木さん。ゼオライトとは多孔質の石の一種で、調湿材や土壌改良材、濾過材など、多くの分野で使われています。ちなみに、きみまち塾塾舎の一部の基礎石もゼオライトです。
地元でサトセ商店を営む佐藤さん。この日は新鮮なお刺身を提供していただきました。おいしかったです。
地元呉服店「こまがたや」を経営する工藤さん。東京のデパート勤務で培ったセンスと接客が好評だそうです。
当日のきりたんぽ鍋担当、三國統也商店経営の三國さん。みなからはシェフ三國と呼ばれてました。つくっていただいたきりたんぽは大好評で「これまで食べた中で、一番うまい!」という声があちこちであがっていましたが、シェフにとっては不満な点が残っているそうで、また食べにきてください、とのことでした。
「スギダラ三兄弟」と呼ばれている、南雲さん、若杉浩一さん、千代田健一さん(右から)。若杉さん、千代田さんは、内田洋行というオフィス家具メーカーで、インハウスのデザイナーとして勤務されています。
「スギダラ三兄弟」のしゃぺりのテンポのよさ、くりだす駄洒落のセンスは、他の人の追随をまったく許しません。このノリのよさが人を巻き込み、人をつなぐデザインのパワーの源泉となっているのでしょう。これからのデザイナーは、色形のセンスだけでなく、会話の面白さが重要なのです。
秋田公立美術工芸短期大学 産業デザイン学科の先生で、スギダラの秋田支部長でもある、菅原香織さん。今回のコンテストを影に日向にしっかりと支えてくれてます。随分と貫禄もついてきました。
縁の下の力持ちをもう一人。全国の里地里山環境の保全・再生、人材・コミュニティー育成を手がける里地ネットワークの竹田純一さん。今回のデザインコンテストの大枠組みづくりは、実は彼の手によるものです。
日付が変わる頃には半数ちかくの人が寝ていましたが、一番夜更かしをしていた人は、4時過ぎまで飲んでいたそうです。遠方から来た人たちの大半は、このまま塾舎に泊まりました。
5月 29, 2007 日記・コラム・つぶやき | Permalink
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